2014/07/03

仙台母乳育児学習会に行ってきました

マイア・ヒラサワの「SENDA〜I♪」を口ずさみつつ、仙台での母乳育児支援者学習会に行ってきました!
土日とお休みをいただいてありがとうございました。

偶然入ったカフェ隣席から聞こえてきたのは、札幌旅行からちょうど帰ってきた、という女子会話「札幌すっごいよかったー」って仙台もいい所ですよね

仙台で母乳育児を推進している歯科医師の講演によれば、
仙台市の1~2か月時における完全母乳栄養率は
なんと! 驚異の71.2%!!


東日本大震災時はその分、人口栄養(ミルク)の方へのサポートができたとか。

完全母乳率が高ければ、例えばほ乳瓶一本洗うのに、1リットルの水がいるなど、物資も人手も要するミルクの赤ちゃんを助ける方に回すことができるのだそうですよ。

富山県での取り組みの発表もありましたが、母乳育児率が高い所って、小児科医等、医師が母乳を推進してくれていて頼もしいですね。

ひるがえって札幌は、科学的根拠なくミルク増加を指示されて、母乳育児頓挫、が多すぎでは。

ユニセフは、母乳育児を支援する対策が、毎年、世界で5歳前に命を落としている100万人近くの子どもたちの命を守ることにつながる、としていますよ。

話変わって、先日あるお母さんからこんな話がありました。

「妊娠安定期に入ったら、乳頭のマッサージをするといいですよね」と。

妊娠中の乳房乳頭マッサージ、
桶谷式では、やってはいけない事なんです。


むしろしてはいけません、と言うとビックリ顔。

なぜ必要がないのか、なぜ害があるのか、など説明させてもらいました。

今回の勉強会で、こんな話が。

イギリスの研究で、妊娠中に乳房乳頭マッサージをしたグループの方が、
しなかったグループより母乳育児率が低かった。
(その後、再調査したらグループ間に違いはなかった。)

等々の研究結果をふまえ、現在、国際的に妊娠中の乳房乳頭マッサージ指導は、
「おこなってはいけないこと」になっています。

相当昔から妊娠中の乳房乳頭マッサージを禁じた故・桶谷さんの観察力・洞察力。
あらためてすごいなぁ


そして、乳腺炎の講演は、桶谷式の教員もしている方からありました。
乳ガンとの鑑別についての話もありましたが、

乳腺炎の方をみせてもらう時、いつもまず頭にあるのは
「乳ガンではないかどうか」です。

札幌ではないのですが、某市で授乳中の方が乳腺炎と誤診され亡くなられたお話を今年うかがいました。

めったに疑うことはないのですが、先日、間質性乳腺炎だろうなあ…でもガンも疑われる症状が4つあり、念のため病院に行っていただきました。

結果はガンではなくて、心の中でバンザイ三唱!

この会の母乳学習会。
何度か参加させてもらってるのですが。

定番で出てくるのが、「何を食べても、おっぱいの詰まりとは一切関係ありません」という医師からの話。

ヨーロッパのお母さんに乳腺詰まりの原因を聞くと、食べ物、を挙げる方はいないそうです。
だから食べ物で詰まるって言うのは、日本人だけだってお話。

ん?イタリアでお産した方、産院から産後、母乳育児で気をつける食べ物一覧表をもらって、「乳製品」とか書かれてますが?

クリスマス後、クリスマスケーキを食べて詰まった!のご連絡が、とってもとっても多いのですが? 
単なる偶然とは思えない発生率。

う~〜ん食べ物で詰まる方は詰まるし、何を食べても何もない方はないし、ですよね。
遺伝子で決められた体質等々が、大きく作用しているように思います。
ましてや日本人は、乳製品に対する消化酵素がとても少ない民族です(研究している医師の書籍によってパーセンテージは違いますが)。

「何を食べても詰まりませんから、好きなように食べて」と指導を受けた結果、乳腺炎を繰り返してしまい
「つらくて母乳やめたい」って方が来室されたこともあります。
(かといって、厳しく食事指導をされたから母乳つらい、も本末転倒なお話ですよね)

この世の森羅万象で、科学的に解明されていることなんて、氷山の一角。

食べ物で詰まるというデータはないから、食べ物では詰まりません、など、一面的な指標による評価判断から結論を得るのって、それって逆に非科学的ではないでしょうか。

たくさんのお母さん達のリアルなデータから、ノウハウを構築していった桶谷のさまざまな考え方は、
私自身かつて「それってあまりに非科学的なんじゃない??」と思っていたことも。
でも最近は、本当だった…と心から納得させられることが多いです。反省。

とにかく学びの楽しい学習会でした。